2007年11月08日

高崎周辺の里山をゆく vol-3

2007/02/16号ちいきしんぶん掲載


◎「上城山(かみじょうやま)」標高197・7m(高崎市山名町)
城跡と古碑をめぐる丘陵ハイク
 
 観音山の南に連なる自然豊かな山名丘陵。今回は、その丘陵を縦断する高崎自然歩道の起点となる山名八幡宮から、2つの城跡と2つの古碑をめぐるコースを歩くことにした。北風の冷たいこの時季だからこそ、日だまりをのんびり行く里山歩きが楽しい。

■神社を抜けて民家の路地を行く
 たまの休日、目覚めた時に晴れていると、無性に山を歩きたくなる。まして思い立ってからでも行ける身近な里山ならば、なおさらだ。それも、マイカーを使わずに過ごせたら、なんて幸せな一日になることだろうか。何はともあれリュックを背負って、駅へ向かった。
 高崎駅0番線から、上信電鉄に乗り込む。住宅と住宅の間を縫うように走り抜ける光景は、江ノ電に似ている。やがて電車は烏川を渡り、田園風景の中へ。約10分ほどで、山名駅に着いた。
 山名駅は、駅舎が神社の境内にある全国でも珍しい駅だ。石段を上り、まずはお参りをして、神社の裏山へ。ここが観音山まで約22キロ続く「高崎自然歩道」の起点。今回は山名丘陵の最高峰、上城山を目指し、根小屋駅に下りる約6キロの「石碑の路」コースを歩くことにした。裏山には住宅団地が広がっている。いきなりアスファルトの道を行く味気ないスタートとなったが、これが不思議と楽しい。自然歩道の標識にしたがって歩くと、幼稚園の前を歩いたり、公園の中を通ったり、はたまた個人宅のブロック塀沿いの路地裏まで入り込む。やがて30分ほどで、「山ノ上の碑」の入口に着いた。

■城跡に登り市街地を見下ろす 
 山ノ上の碑は「上州三碑」の1つ。ちなみにあとの2つは、上毛かるたで馴染みの吉井町にある「多胡の碑」と、このコース終点にある「金井沢の碑」である。いずれも国の特別史跡に指定されている。
 長い石段を息を切らして登り、石碑の前でひと休み。尾根歩きを楽しむも数分で、山名城址(189m)の広場へ。北方が開けていて、眼下に高崎市街地を見渡し、遠方に赤城山と榛名山を望む。暖冬だとはいえ、さすがに北風が抜ける頂きは寒い。北の山々は、鉛色の雪雲に覆われていた。
 冬枯れの雑木林に囲まれた尾根道を歩くこと、約20分。自然歩道から、ひと登りで次のピーク、望鉾山(195m)に登頂。こちらは南方が開けていて、御荷鉾山から遠く秩父の山並みまでが見える。目指すは、丘陵最高峰の上城山だ。時折、木々の間から白衣観音が見える。
 山名駅を出てから約1時間20分、一等三角点のある上城山の頂上に着いた。一般には根小屋城址の名で知られている里山である。山頂広場は整備されていて、立派な展望台があった。電車の中で一緒になった小学生の一群と出会う。引率の先生と共に根小屋駅で降りたことを思い出した。

■振り返ると山肌が輝いて見えた
 南斜面の日だまりを見つけて、昼食をとった。ベンチがいくつか配されていて、周りは山桜に囲まれている。よし、春になったら仲間と酒を担いで登って来よう。花見登山会、決定!今からとっても楽しみである。意気揚々と、軽くなったリュックを背負って歩き出す。
 通常のルートだと、来た道を望鉾山へ引き返すか、西のクサリ場を行くようだが、あえて北へ下りるルートを選んだ。標識はないが、しっかりとした踏み跡が竹林へと続いている。一度、車道へ下りたが、そのまま墓地のある杉林に入り込むと、荒れ野の中に「高崎自然歩道」の標識が現れた。
急登をあえぎながら尾根まで上がり振り返ると、碗を伏せたような上城山が日の光に照らされて黄金色に輝いている。小さな山だが、美しい山だ。ここからは、いくつかのアップダウンを繰り返して、約1時間で「金井沢の碑」に着いた。
 帰りは、ぐるりんバスで高崎観音山温泉まで行き、のんびり湯に浸かることにした。ところが、根小屋駅先の県道に出たその時、タッチの差でバスをやり過ごしてしまった。時刻表を見ると、次のバスが来るまで1時間以上もある。仕方ない。もうひと頑張りして温泉まで歩くとしよう。さぞかし湯上がりのビールが、うまいことだろう。(フリーライター/小暮 淳)