2007年01月06日

新年の寿ぎに「榛名神社」と「門前町」へ

ちいきしんぶん2007/1/12号掲載

あけましておめでとうございます。本年も〈ちいきしんぶん〉をよろしくお願い申し上げます。

新春と言えば初詣。もうお正月気分も薄らいだ頃合いだが、まだ初詣を済ませていない方、もう一度お参りに行きたい方々のために榛名神社と門前町をご紹介しよう。榛名神社は平成17年12月27日、三重塔を除き、6棟すべての建物が一挙に国の重要文化財に指定された。平成18年の合併で高崎市の仲間入りをした旧榛名町に輝いた快挙。それは高崎市にとって、初めて国の重要文化財を保有することでもある。由緒ある榛名神社と参道に並ぶ門前町(社家町)で、静かに新春を喜びたい。

●榛名神社の歴史と今
 延長5年(927)に完成した『延喜式神名帳』という記録がある。これは、全国の主要な神社の名を列記したもので、榛名神社の名は〈上野十二社〉のひとつとして掲載されている。かなり格式の高い神社という位置づけだ。
 また9世紀頃のものと考えられる、寺院跡の遺跡『榛名神社巌山遺跡』が、境内から発見され古くから厚い信仰を集めていたと考えられる。
 戦国時代、一時衰退を見せるが、江戸時代に入り天海僧正によって復興。慶長19年(1614)以降上野寛永寺の支配下に置かれた。
 そして明治維新直前の神仏分離令(仏教と神道の分離)によって、堂塔や仏像、仏具などの仏教色が一掃され、現在に至っている。
 榛名神社は、農業や雨乞い、火の神として信仰されてきた。江戸時代には関東一円の村々から、五穀豊穣を祈る人々が『講』を組織して、参拝に訪れたという。数が少なくなったとは言え、現在でも『講』を組んでやってくる人々がおり、参道にある〈宿坊〉で、神社のお札をいただいていくのである。
「『榛名講』は、農業に従事する村の代表者が、毎年数人の団体でやってくるものでした。今は、交通の便が良くなり埼玉や東京郊外からの方々も日帰りがほとんどですが、昔は一泊や二泊していったものです(榛名神社宮司・一宮修さん)」
 参道の各所には『講』に訪れた人々が寄進した石碑などが建つ。

●榛名神社の建造物
 国指定重要文化財が建ち並ぶ榛名神社。そのうちのいくつかをご紹介しよう。〈本社・幣殿・拝殿〉は、文化3年(1806)に建立された。岩(御姿岩と呼ばれる)の前面に接して建てられた他に例を見ない建物で、権現造という。御姿岩の中にある洞窟を神聖な本殿とし、ご神体を祀っている。
 〈神楽殿〉は本社等と向かい合う位置にある。明和元年(1764)に再建された。神楽を本殿の神様に向かって奉納するため、舞台の高さが本社の床の高さに合わせ、作られているという。格天井には花鳥獣、神楽面などが描かれ、その歴史の重みを伝えてくれる。毎年2月15日には「御神楽始祭』と称し、1年の最初の神楽舞いが奉納されるというから、ぜひ生で見てみたい。
 さて、本社から少し下った石段の途中にあるのが、安政2年(1855)に建てられた〈双龍門〉だ。総ケヤキ造りで、全体の施された彫刻は、かなり装飾性が高い。彫刻や彩色画などに龍が多く見られることから双龍門と呼ばれているとか。
 他にも、武田信玄が戦勝を祈願して矢を射立てたという言い伝えを持つ樹齢600年の巨木〈矢立スギ〉や、春の大祭で榛名神社の御神体を本殿から移し、遷座される〈神幸殿〉(安政6年(1859)建立)など、ここでは紹介しきれないほど見どころがいっぱいだ。

●社家町で情緒を味わう 
榛名神社参道には、かつて榛名講の参拝者が泊まった〈宿坊〉が90軒近くあったが、今では日帰り参拝が一般化し、その数も15軒ほどになった。現在では食堂や土産物店に姿を変え、訪れる人々を迎えている。
 そこで、榛名神社門前町〈社家町〉としての活気を取り戻そうと始められた、取り組みを見てみよう。
 まず、榛名神社神楽殿で開くクラシックやジャズの演奏会。荘厳な雰囲気の中で行われる、この「幽玄の杜音楽会」は、和と洋の古典が織りなす独特の演出で注目を集めている(開催日は随時問い合わせを)。
 さらに食文化の方向から、かつて参拝客をもてなした『門前そば』を復活させた。地元産のそば粉を使い、神社の御神水で打った手打ちそばである。これがまた、提供する食堂や宿坊それぞれの工夫があり、さまざまな味わいが楽しめるから面白い。
 実は、前述、門前そばは、地元産のそば粉を使い、と記したが、始まった当初は国内産のそば粉を使用していた。
 だが、地産地消と地域の遊休農地対策として、地元で栽培したそば粉を使おうと契約農家を増やしているのである。徐々にすべてを地元産でまかなえるように、その地道な活動は続いている。
     
 時代が移るにしたがって、信仰に対するベクトルは変化しているが、神社や歴史ある建造物、その厳かな空気に私たちは自然と安心感を得る。それはおそらく日本人としてのDNAなのかもしれない。

■榛名神社、門前町、イベント等に関する問い合わせは
 高崎市役所榛名支所産業観光課 TEL 027-374-5111

Posted by ちいきしんぶん at 12:13 │2007年・特集記事