2006年12月08日
次世代のエネルギー シリーズ ・その3
ちいきしんぶん2006/12/1号掲載
原子力発電のメリットと放射線
高崎市で使用する電力が、新潟県の〈柏崎刈羽原子力発電所〉からの供給だということをご存知だろうか。原子力発電というと、危険なイメージを抱いてしまいがち。しかし、エネルギー資源の約8割(原子力を国産と考えた場合)を輸入に頼る日本にとっては、なくてはならない存在だ。また、原子力は発電過程でCO2を排出しないため、地球温暖化防止といった環境保全にも貢献している。シリーズ最終回は、原子力発電のメリットと放射線の関係などをご紹介しよう。
原子力発電のメリットと放射線
高崎市で使用する電力が、新潟県の〈柏崎刈羽原子力発電所〉からの供給だということをご存知だろうか。原子力発電というと、危険なイメージを抱いてしまいがち。しかし、エネルギー資源の約8割(原子力を国産と考えた場合)を輸入に頼る日本にとっては、なくてはならない存在だ。また、原子力は発電過程でCO2を排出しないため、地球温暖化防止といった環境保全にも貢献している。シリーズ最終回は、原子力発電のメリットと放射線の関係などをご紹介しよう。
■資源に乏しい日本
日本は、世界で消費されるエネルギーの約5%を消費する消費大国。にもかかわらず約80%のエネルギー資源は海外からの輸入だ。これからもますます需要は増え続ける可能性は大きい。また、環境保全の面からも原子力発電は、我が国にとって必要不可欠なのである。
現在、全国で55基の商業用原子炉が稼働しているが、これは世界で第3位。国内の電力量の約3分の1を供給しているのだ。
火力、水力、原子力、新エネルギー等、多くの発電方法を組み合わせている日本では、それぞれのメリットを最良のバランスで利用することで、電力の安定化をはかっている。中でも原子力は燃料を再利用することが可能で、発電時にCO2を出さない、つまり地球環境に優しい資源であると言える。少しの燃料で大量の発電ができる、さらにおよそ1年間の連続運転が可能、など多くのメリットを持つ。
■原子力発電のしくみ
原子力発電は、燃料であるウランの核分裂の連鎖反応により原子核エネルギーを熱として取り出す。その熱で水蒸気を発生させて、タービンを回し、これを発電機に送って発電するというしくみ。
もちろん安全性については最善の取り組みがなされている。タービンや発電機は十分な安全運転ができるよう、余裕をもって設計されており、定格よりも数パーセント高めの出力で運転しても問題はない。また、運転を実施する前には、施設毎にタービンや発電機のチェック、評価をし、その結果を国が確認してから行うという。
■発電所が海の近くにあるわけ
原子力発電所1基(発電量110万キロワット級の場合)で、使われる水の量は、原子炉圧力容器内だけで、なんと約400トン! これだけの水量が原子炉の周りをぐるぐると回っているのだ。さらに発電所では、蒸気タービンで発電機を駆動しているが、そこで使い終わった蒸気を熱交換機で水に戻すためには、1秒間に約78トンもの大量の冷却水を必要とする。
日本は欧米のように大きな河川がないので、海の水を利用するしかないのである。したがって、大量の冷却水を確保するため、海の近くに発電所を建てているのだ。
ちなみに発電所建設の立地条件として「冷却水が十分確保できること」、「地盤がしっかりしていること」、「十分な広さの用地があること」が、必要とされている。
■使用済燃料のリサイクル
発電した後の使用済燃料の中には、まだ使えるウランや、発電中に原子炉内に新しく生まれたプルトニウム239が含まれている。これらを取り出して、再び燃料として再利用することが可能なのである。この流れを〈原子燃料サイクル〉と呼ぶ。このサイクルによってウラン燃料の利用効率向上か放射性廃棄物の発生も減らすことになる。それらが、日本の少ないエネルギー資源の保護にもつながるというわけだ。
■気になる放射性廃棄物
原子力発電所から出る放射性廃棄物は、低レベルと高レベルの放射性廃棄物に大きく分けられる。それぞれの条件に応じた処置がされることになる。たとえば、低レベル放射性廃棄物には、作業で使った手袋や作業着、交換したフィルターなどの部品等がある。これらは、燃焼、圧縮、濃縮などによって容積を減らし、固めてドラム缶に詰める。そして、発電所でしばらく保管した後、青森県六ヶ所村にある低レベル放射性廃棄物埋設センターに埋設される。一方の発電で使い終わった燃料のうち、もう使うことのできない残りのもの、高レベル放射性廃棄物は、ガラスと混ぜて溶かし、ステンレス製の容器に注入した後、冷却して固める。
そして30年〜50年間ほど貯蔵し、最終的に地下300メートルより深い、安定した地層中に処分するという。私たちの生活環境から隔離するよう配慮されているのである。
協力/資源エネルギー庁 (財)日本立地センター
参考資料/東京電力広報誌
日本は、世界で消費されるエネルギーの約5%を消費する消費大国。にもかかわらず約80%のエネルギー資源は海外からの輸入だ。これからもますます需要は増え続ける可能性は大きい。また、環境保全の面からも原子力発電は、我が国にとって必要不可欠なのである。
現在、全国で55基の商業用原子炉が稼働しているが、これは世界で第3位。国内の電力量の約3分の1を供給しているのだ。
火力、水力、原子力、新エネルギー等、多くの発電方法を組み合わせている日本では、それぞれのメリットを最良のバランスで利用することで、電力の安定化をはかっている。中でも原子力は燃料を再利用することが可能で、発電時にCO2を出さない、つまり地球環境に優しい資源であると言える。少しの燃料で大量の発電ができる、さらにおよそ1年間の連続運転が可能、など多くのメリットを持つ。
■原子力発電のしくみ
原子力発電は、燃料であるウランの核分裂の連鎖反応により原子核エネルギーを熱として取り出す。その熱で水蒸気を発生させて、タービンを回し、これを発電機に送って発電するというしくみ。
もちろん安全性については最善の取り組みがなされている。タービンや発電機は十分な安全運転ができるよう、余裕をもって設計されており、定格よりも数パーセント高めの出力で運転しても問題はない。また、運転を実施する前には、施設毎にタービンや発電機のチェック、評価をし、その結果を国が確認してから行うという。
■発電所が海の近くにあるわけ
原子力発電所1基(発電量110万キロワット級の場合)で、使われる水の量は、原子炉圧力容器内だけで、なんと約400トン! これだけの水量が原子炉の周りをぐるぐると回っているのだ。さらに発電所では、蒸気タービンで発電機を駆動しているが、そこで使い終わった蒸気を熱交換機で水に戻すためには、1秒間に約78トンもの大量の冷却水を必要とする。
日本は欧米のように大きな河川がないので、海の水を利用するしかないのである。したがって、大量の冷却水を確保するため、海の近くに発電所を建てているのだ。
ちなみに発電所建設の立地条件として「冷却水が十分確保できること」、「地盤がしっかりしていること」、「十分な広さの用地があること」が、必要とされている。
■使用済燃料のリサイクル
発電した後の使用済燃料の中には、まだ使えるウランや、発電中に原子炉内に新しく生まれたプルトニウム239が含まれている。これらを取り出して、再び燃料として再利用することが可能なのである。この流れを〈原子燃料サイクル〉と呼ぶ。このサイクルによってウラン燃料の利用効率向上か放射性廃棄物の発生も減らすことになる。それらが、日本の少ないエネルギー資源の保護にもつながるというわけだ。
■気になる放射性廃棄物
原子力発電所から出る放射性廃棄物は、低レベルと高レベルの放射性廃棄物に大きく分けられる。それぞれの条件に応じた処置がされることになる。たとえば、低レベル放射性廃棄物には、作業で使った手袋や作業着、交換したフィルターなどの部品等がある。これらは、燃焼、圧縮、濃縮などによって容積を減らし、固めてドラム缶に詰める。そして、発電所でしばらく保管した後、青森県六ヶ所村にある低レベル放射性廃棄物埋設センターに埋設される。一方の発電で使い終わった燃料のうち、もう使うことのできない残りのもの、高レベル放射性廃棄物は、ガラスと混ぜて溶かし、ステンレス製の容器に注入した後、冷却して固める。
そして30年〜50年間ほど貯蔵し、最終的に地下300メートルより深い、安定した地層中に処分するという。私たちの生活環境から隔離するよう配慮されているのである。
協力/資源エネルギー庁 (財)日本立地センター
参考資料/東京電力広報誌
Posted by ちいきしんぶん at 14:26
│2006年・特集記事

