2007年10月19日
高崎周辺のぶらり水紀行-vol.5
「榛名湖への道」約3km(高崎市)いくつもの滝をめぐる榛名川源流の旅現在の県道が開通するまでは、榛名神社と榛名湖をむすぶ唯一の道だったという榛名川源流沿いの古道。いくつもの小滝と岩をはむように滑る急流美は、最後までハイカーを飽きさせない絶景のハイキングコースだ。
由緒ある神社で旅の安全祈願毎度のことながら、高崎駅からの交通の便の良さには感謝している。北へ行くにも南へ行くにも、西へも東へも電車とバスが出ている。こんなに便利な街に住んでいるのなら、公共交通機関を利用しない手はない。車では決して体感できない、旅の醍醐味が味わえるのだから……。
高崎駅西口より、榛名湖行きのバスに乗り込む。約1時間で、スタート地点の榛名神社に着いた。榛名神社はお気に入りの場所で、年に何度か参拝に訪れているが、バスで来たのは始めてである。何度訪れても、参道の荘厳な雰囲気に触れると、背筋がのびる思いがする。
国の重要文化財に指定されている神幸殿から、榛名川の対岸にそそり立つ岩の割れ目を流れ落ちる「瓶子(みすず)の滝」が望める。落差約30m、榛名川の支流から水を引いて造られた人工滝とのことだが、まったくその様には見えない厳かで美しい滝だ。
槍のように天を突く鉾岩を仰ぎ、龍の彫刻が見事な双龍門をくぐり、本殿へ。6世紀後半の創建と伝えられる由緒ある神社の前で、これからの小さな旅の安全を祈願した。
奥入瀬のような流れに見とれて榛名川源流を遡上する「榛名湖への道」は、参道途中のみやげ物屋の脇から始まる。「関東ふれあいの道」の道標があるので、分かりやすい。
坂道を下り始めると、次第に渓流の音が大きくなり、やがて滑るように流れる清らかな川面と出会う。先ほど眺めた瓶子の滝を今度は下から見上げながら、いくつもの小滝をめぐると、巨大な砂防堰堤に出た。堰堤の向こうには、ジグザグと奇妙な形をなす九折(つづら)岩が見える。
堰堤を左に回り込んで上がると、分岐に出た。右「天目山」とある。この辺りは、川の流れもゆるやかで、浅瀬から顔を出した岩が苔をむしていて、さながら奥入瀬渓谷を歩いているよう。ついつい立ち止まって、流れに見とれてしまう。
道は川から離れて山へ入ったり、また川辺へ下りたりを繰り返す。が、つねに川音が聞こえている。沢には木橋がかかり、急な斜面にはロープが設けられているなど、整備されていて快適な歩きが楽しめる。
歩き出して約30分、2つ目の分岐に出た。直進「榛名神社裏バス停」、右「天神峠」とある。ベンチで休憩をとっていると、コツンと頭にドングリが落ちてきた。まだ暑い日が続いているが、森はすっかり秋の気配である。
勇壮な滝がフィナーレを飾る
分岐から右へ下ると、道はまた川沿いを行く。やがてコース最大の滝「常滑の滝」に出た。赤茶けた巨大な岩盤の上を、弧を描きながら滑り落ちる美しい滝である。すだれのように、いく筋にも分かれる水が、また滝壺で一つに集まり、帯のように流れていく。
ここからは、急な登りがつづく。いくつも沢を渡るが、一か所だけ崩落により道が消えている所があるので、注意が必要だ。張られたロープの内側を慎重に渡り、難なく通過した。
長い登り坂に息を切らしていると、次第に水音が大きくなり、コース最後の滝が顔を現した。巨岩の間を二股に分かれて流れ落ちる勇壮な滝だ。名前がないのが残念だが、フィナーレを飾るのにふさわしい滝である。
ここからは、ひと登りで天神峠に出た。車道を渡り分岐を左に下りること約10分で、竹久夢二アトリエや「湖畔の宿」記念公園のある榛名湖畔に着いた。榛名神社から約1時間30分の歩行だった。
湖畔の渕に腰掛け、榛名富士を眺めながら昼食にした。平日の昼、釣り舟が浮かぶだけの静かな湖。なんとも贅沢で優雅なランチタイムとなった。さて、食後は湖畔を半周歩いて、対岸の榛名湖温泉を訪ねることにしよう。湖を望む展望風呂が楽しみだ。帰りのバス停が、目の前にあるのもありがたい。また、ついつい湯上がりのビールを飲み過ぎてしまいそうである。
(フリーライター/小暮 淳)
Posted by ちいきしんぶん at 13:20
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