2007年12月23日

高崎周辺の 里山をゆく vol.7

2007/12/21号ちいきしんぶん掲載


「天神山」標高323m~「浅間山」標高352m(高崎市・安中市)
360度眺望の里見連山を縦走

北に榛名山、南に御荷鉾山を望み、旧榛名町と安中市の間を東西に走る秋間丘陵は、地元では「安中アルプス」とも呼ばれるほどの秀峰が連なる。その中でも今回は、最東端に突き出した天神山から浅間山までの尾根道を縦走した。


■落ち葉の坂道から名山を眺める
 “安中アルプス”とはかなり仰々しい気もするが、東西一直線に連なる山並みは、旧榛名町側から見るにつけ、安中市側から見るにつけ、「一度は縦走してみたい」と憧れを抱いていた。
 高崎駅西口より安中行きのバスに乗って約25分、「板鼻新町」のバス停で下車。古城団地を目指して、国道より坂道を上り出す。雲一つない蒼穹が広がる絶好のハイク日和のなか、左手に丘陵の東端を眺めつつ、団地の北へ回り込み登山口を探す。
 バス停より約40分で「天神山自然の森」入口に。急登をあえぐこと10分、大きな駐車場が整備された公園に着く。温暖化の影響だろう、園内は今が紅葉の真っ盛り。平日とあって人影はないが、なかなかの穴場的スポットだ。広場やハイキングコースもあるので、ファミリーで一日楽しめそうである。
 まずは前天神の峰を目指して、園内の「七曲がり」と呼ばれるつづら折りの坂を登り始める。途中、展望台からは高崎市街地と観音山を一望する。ここからのコースが、とても楽しい。カサコソ、カサコソ、落ち葉を踏みしめて登る「天神坂」から振り返ると、時おり御荷鉾山や赤久縄山などの西上州の名山が顔を見せてくれる。やがて、あずま屋の建つ「天神小屋」に着いた。



■ヤブを漕ぎ漕ぎ尾根道を行く
 天神小屋から天神山山頂までは、ひと登り。東側が開け、なだらかな斜面はパラグライダーの離陸場として整備されている。高崎市街地から前橋市の県庁舎までを一望する絶景だ。山頂には、地元信仰の山らしく石灯籠や石祠、石像があり、立派なあずま屋が建っている。10分ほど休憩をとり、次のピーク浅間山(せんげんやま)を目指して歩き出す。
 ここから尾根伝いの縦走が始まる。どんな快適ハイクが楽しめるのだろうかと、胸をときめかしたのも束の間、天神山の北側下山路と分かれた途端に、道が荒れだした。「里見連山ハイキングコース」とは名ばかりで、身の丈以上のヤブにはばまれ、踏み跡も判然としない悪路がつづく。笹やトゲのある植物が多いので、長袖、帽子、手袋の着用は必須である。アップダウンをくり返し、漕ぎつづけること約30分。作業道に飛び出したかと思ったら、そのすぐ下を県道132号が走っていた。
 県道に出て、登山道はどこかと探すが見あたらない。峠を100mほど安中市側へ下りてみた。販売機の前に、わずかながら踏み跡を見つけ登ってみたが、すぐに竹林に迷い込み断念。仕方なく下里見側へ引き返し、「浅間山桜公園入口」の標識にしたがって車道を行くことにした。やがて「浅間神社入口」の登山道を左手に発見!
 直登の道は舗装されているものの、両サイドからのヤブ攻撃を受け、わずか15分の道程に難儀をした。



■掛け値なしの大パノラマ展望
 整備された駐車場から、一直線に山頂の社まで長い階段がのびている。あえて右の登山道を行くが、こちらもかなりの急登である。でも息を切らして登り切れば、そこには360度の大パノラマ展望が待っていた。東に天神山と今しがた歩いてきたヤブ漕ぎの尾根を見下ろす。北に榛名山、赤城山を眺め、南に西上州の山々、西はこれから向かう御岳山と、グルリと掛け値なしの絶景展望だ。南側眼下のゴルフ場は、ちょいと景観を損ねるが、それ以外はいつまで眺めていても飽きることがない。
 神社に参拝をして、昼食をとってから、西側に下った。わずかな踏み跡をたよりに、ひたすら尾根道を行く。次第にヤブがひどくなってきた。と思ったら、いきなり片足がズボッと落ちた。見れば辺りには、自然薯を掘った跡と思われる深い穴がいくつも空いているではないか!
 以後、足元に注意して歩く。
 小さなピークを2つ越え、3つ目のピーク(373m)に登頂した時点で、完全に登山道は消えてしまった。これより先は崖、その下はゴルフ場が広がっている。仕方なく断念して、北斜面を林道まで下りた。榛名文化会館エコールまで下り、国道のバス停から南方を見上げると、御岳山が見えた。「待ってろよ、次はそこから続きを縦走だ!」そう声をかけて、高崎駅行きのバスに乗り込んだ(全歩行時間、約4時間20分)。
 いつもなら日帰り温泉に立ち寄るのだが、どうしても今回はルートに組み込めなかった。ならばと「相生町」で下車し、成田町の銭湯「浅草湯」で汗を流してから帰ることにした。
(フリーライター/小暮 淳)