2007年11月24日
高崎・上並榎町八木節保存会
2007/11/23号ちいきしんぶん掲載
地域に根ざした文化の継承と、世代を越えたコミュニケーション
上州といえば「八木節音頭」。あの、ハツラツとしたテンポは上州人気質そのものといえる。県内各地で多くの保存会やグループが活動をしているが、今回ご紹介するのは上並榎町八木節保存会の皆さん。
平均年齢70歳前後とはいえ、いやはやお元気。しかも同会には町内の若いお母さん、小学生も参加し、地域の交流にひと役買っている。
地域に根ざした文化の継承と、世代を越えたコミュニケーション
上州といえば「八木節音頭」。あの、ハツラツとしたテンポは上州人気質そのものといえる。県内各地で多くの保存会やグループが活動をしているが、今回ご紹介するのは上並榎町八木節保存会の皆さん。 平均年齢70歳前後とはいえ、いやはやお元気。しかも同会には町内の若いお母さん、小学生も参加し、地域の交流にひと役買っている。
●まずは、八木節の歴史から八木節の誕生は明治20年頃にさかのぼる。栃木県足利の町はずれにあった「八木宿」。ここは日光例弊使街道の一宿場町としてにぎわった。娯楽の少ない時代、畑仕事を終えた若者たちは長唄や民謡などを習い始め、それが後に盆踊り唄に変わっていっ た。当時は盆唄、馬子唄、馬方節などと呼ばれていたようだ。やがて足利の堀米源太によって「八木節」の基礎が出来上がり、東京や、大阪、仙台など、大都市で公演するほどにまでなった。
群馬県に八木節が入ってきたのは明治32年。佐波郡境町の柿沼庄平が、八木地方の奉公先で盆唄(八木節)を覚え、年期明けに帰郷して唄を広めたという。その後、庄平をたずねてきた源太と共に町の若者を集め唄を教えていったのである。
歯切れのよいテンポが上州人気質にあったらしく、八木節は急速に広まっていった。
●上並榎町の八木節上並榎の八木節は大正初期から90年もの歴史と伝統を誇る。当初の青年衆は夢中になり、神社の境内でランプを灯しながら夜遅くまで練習したという。そして、晴れて日枝神社の例祭でデビュー。このとき、仲間同士で、当時の烏川河川敷護岸工事の日雇い労務で得た賃金を出し合い、楽器などの道具類を買い揃えたのである。
以後、住民有志の後援を得るなど「上並榎八木節舞踊会」は、毎年春秋の例祭で多くの見物客を魅了した。
●上並榎町八木節保存会
90年余りもの歴史があるとはいえ、戦後の混乱や社会の急激な変化は、たびたび存続の危機という現実をもたらした。しかし、伝統を受け継ぎ、また残 していきたいという有志の強い思いは消えなかった。
平成14年、現在の名称に改め、新規会員を募集するなど、新たなるスタートを切ったのである。
現在、馬渕弘子会長を筆頭に会員46名が保存会を盛り立てている。最高齢84歳のおばあちゃんも現役で練習に参加し、発表会などでは舞台に立っているという。「私たちのおじいさん、おばあさん世代が始めた八木節は、我々で3代目。今では若いお母さんや小学生も参加してくれていますから、4代、5代と続いているわけですね。これは嬉しいことです」(相談役・中島和夫さん)
第一公民館での練習には、7人の小学生が参加。踊り方、楽器の使い方、衣装の付け方などを会の人たちから教えてもらっている。「子どもたちは覚えるのが早くて驚かされますね。まったく初めての時から10回くらいの練習ですっかりさまになって。それもすごく楽しんでくれているので教えるほうも張り合いがあります」(会長・馬渕弘子さん)「実はね、練習日はついつい茶飲み話に夢中になって、練習時間が短くなっちゃうこともあるんです(笑)。でも、そんな時間が大切な交流なんだと思いますよ」(会計・中島勝さん)
楽器は四斗ダル、大小の鼓、笛、鉦を使うが、それぞれ調子の取り方や動きがあるのでなかなか難しい。歌詞はどの地域も大体同じだが、振り付け、調子は地区によって個性があるらしい。運動量もなかなかのもの。スゲ傘、唐傘、花輪を使って通しで踊れば、立ちっぱなしで30~40分にもなるという。「でもいい運動になるし、ほどよい緊張感がいいんですよ。私なんか足が痛くても八木節だったら踊れちゃうから不思議(笑)」(書記・広清寿美恵さん)
県内での発表会や慰問だけにとどまらず、交流会などで県外へも出かけていく。遠くは佐渡まで出かけていったこともある。その旅もまた楽しい。
さらに地域貢献の一環として毎年1月上旬には「ちびっこふれ愛餅つき大会」を開催。5回目となった前回の餅つき大会には150人もの住民が交流を楽しんだ。 一人暮らしや家族の少ない高齢者にとって、地域の人たちとおしゃべりができるのはこのうえない楽しみ。子どもたちとのコミュニケーションも楽しい。なにより自分の町に住んでいる人の顔を知ることが、安心なまちづくりの第一歩だろう。
取材/上並榎町第一公民館にて
Posted by ちいきしんぶん at 01:20
│2007年・特集記事

