2007年04月18日

社会を生きていく力を身につける

ちいきしんぶん2007/04/20号掲載

週に一度の学び舎 フリースクール

藤岡緑陵学院
「学校に行きたくない」「自分の将来はどうなるんだろう」「もっと自分にとって必要なことを学びたい」。そんな不登校生の切なる願いを受けて、5年前に開校した藤岡緑陵学院。クラーク記念国際高等学校との提携により、高校卒業資格の取得を実現させた。「ただ単に教科を学ぶ学校ではなく、心の疑問に答え、生きる力を身につけ、夢を実現するための学校でありたい」と言う、小松愼二理事長に話を聞いた。




■不登校生の多くは秘められた力を持っている
ー昨年から理事長になられたということですが、それ以前は何をなさっていたのですか。

 
 私は将来、教育の現場で働きたいと思い、大学は教育学部で学びました。ところが教育実習で実際に中学校の現場に出たときに、授業と現場のあまりのギャップに唖然としました。現役教師から「はい、やってみて。できないの? 大学で何を学んで来たの?」と散々に言われました。自信満々だっただけに、ショックが大きかった(笑)。
 この時、「大学は実際の現場に通用する教育をやってない」と思ったんです。と同時に、学校教育への様々な疑問が浮上してきた。友人たちは卒業してそのまま教師になるけど、「自分は経営の手法を用いて、学校の外部から教育に携わりたい」という思いから大学院へ進み、経営学を勉強しました。
 卒業後、県の支援事業に係わりながら独自の活動を続けているときに、藤岡で前身のフリースクール「クロスロード」を運営していた現・学院長の清水一憲氏と出会い、私は講師として参加しました。


ー社会問題にもなっている不登校生を受け入れていますが、現状はいかがですか。
 

 不登校になる生徒には、大きく分けて2つのタイプがあると思います。1つは”自分に自信を持てない“子です。自分の悪いところを知っていて、その部分を社会が受け入れてくれないからという理由から、引きこもりになります。自分で自分を否定することで、他人を傷つけないで済むと思っていますね。もう1つのタイプは”自分は悪くない“と、他人のせいにする子です。常に自分より劣っている人間を探して、現実から逃げる傾向にあります。
 前者のタイプの不登校生の多くは社会的な偏見とは裏腹に、平均以上の学力を持っており、決して勉強について行けなくて学校をドロップアウトしたのではないということです。むしろ独特の感性・能力を持ち、大きな可能性を秘めている。



■恥ずかしがらずに、まず一歩を踏み出そう

ーこちらの学校では、どんな教育指導を行っているのですか。

 
 私は、不登校生を”できない子“として甘やかす差別的環境に置くのではなく、その中にいる”できる子“をいかに育てて、社会へ送り出すかが必要であると考えています。そのために実践しているのが「自分を大事にする」教育です。
 自分を大事にすることは、自分勝手とは違います。自分の悪いところを認めて、それを受け入れた自分を大切にすることです。自分の欠点を受け入れられた人間は、他人の欠点を許せるようになり、助け合いの心が生まれます。今の画一的な平均化した学校教育からあふれ出た子たちには、社会を生きていく力を身につけることが、一番必要な教育だと考えています。生きていく力を身につけた子は、自ずと自分の進路や将来に欲を持ち始めます。卒業生たちは「もっと勉強をしたい」と、大学へと進学しています。


ー現在のカリキュラム等、活動内容を教えてください。

 
 週に1日、毎週土曜日に開校しています。現在、中学生と高校生のクラスがありますが、一般の聴講生も随時入学可能です。当校はクラーク記念国際高等学校(北海道)との提携により、協力校として高校卒業資格の取得ができます。一般校への新入学・編入学・転入学の手続きや、クラーク本校への登校など、卒業に必要なサポートをしています。
 また将来の進路に対する相談、小中学生の学力支援も行っているほか、毎週の講義だけでなく、要望に応じては家庭に出向いての出張相談も受け付けています。

ー不登校で悩んでいる生徒や、その親御さんにメッセージがあったらお願いします。
 
 悩みを抱え込まないで!ということです。不登校であることを恥じずに、自分をさらけ出して欲しい。放置していたら、いつまで経っても解決しない。そのためには、まず一歩を踏み出すことです。自分で出来ないことは、出来る人に相談すること。誰かに助けを求めることは、恥ずかしいことでも悪いことでもありません。「今のままでは……」そう考えているなら、ぜひ気軽に相談してください。一緒に夢を実現しましょう。 


藤岡緑陵学院
藤岡市本郷700 TEL 027-347-2120  FAX 027-346-8658
藤岡緑陵学院ホームページ



Posted by ちいきしんぶん at 11:40 │2007年・特集記事